
「明日から雨」という予報を見ただけで、こめかみがズキズキ痛む。 「低気圧が近づくと、頭が万力で締め付けられるように重くなる」 「テレビで見た『耳たぶマッサージ』を毎日やっているのに、効果が感じられない…」
もしあなたが、天気の変化に振り回される日々を送っているなら、それは単なる頭痛ではありません。 気圧の低下という「環境の変化」に、身体が過剰反応してしまっているサインです。
こんにちは、カミヤ治療院です。
雨の日の不調、いわゆる「気象病(天気痛)」で悩む方は年々増えています。 多くの方が「耳を回すと良い」と聞いて実践されていますが、正直なところ「それだけでは変わらない」という声もよく耳にします。
なぜなら、重度の気象病の原因は、耳の表面ではなく、もっと奥深くにある「内耳(ないじ)の酸欠」と「頭蓋骨のロック」にあるからです。
今日は、なぜ薬もマッサージも効かないのか。そして、どうすれば気圧の変化をサラリと受け流せる身体になれるのか。 専門家の視点から、頭蓋骨調整のアプローチについてお話しします。
専門家が解説する「気圧センサー暴走」のメカニズム
私たちの耳の奥にある「内耳(ないじ)」には、気圧の変化を感じ取るセンサーがあることが分かっています。 本来であれば、このセンサーが「気圧が下がったよ」と脳に伝え、脳が自律神経を調整して体を環境に適応させます。
しかし、気象病の方の身体では、このセンサーが「パニック(暴走)」を起こしています。
痛みの正体は「センサーの酸欠」
健康な内耳は柔軟に対応しますが、首や肩のコリで血流が悪くなり、内耳が「酸欠(虚血)」状態になっていると話は別です。
酸欠で過敏になったセンサーは、わずかな気圧低下でも「大変だ!異常事態だ!」と、脳へ誤ったアラームを送り続けてしまいます(興奮毒性)。
このアラームを受け取った脳は、戦闘モード(交感神経優位)になり、血管をキュッと収縮させます。 これが、ズキズキする頭痛やめまいの正体であり、さらに血流を悪化させる「負のループ」の始まりなのです。

盲点:「側頭骨のロック」が排水溝を詰まらせている
もう一つ、多くの方が見落としている重要なポイントがあります。 それが、内耳の入れ物である「側頭骨(そくとうこつ)」の状態です。
側頭骨とは、耳の周りにある頭の横の骨のこと。 実はこの骨の隙間には、脳や内耳からの古い血液やリンパ液を排出する「排水溝(頸静脈孔:けいじょうみゃくこう)」があります。
頭の「縫い目」が固まっている
食いしばりやスマホ首などの癖があると、頭蓋骨の継ぎ目(縫合)がガチガチにロックされ、側頭骨の動きが悪くなります。 すると、どうなるでしょうか? 排水溝(頸静脈孔)が圧迫され、頭の中の水はけが悪くなるのです。
低気圧になると、物理的に頭の中の圧力(内圧)が上がります。 この時、排水溝が詰まっていると、圧力の逃げ場がなくなり、内耳がパンク状態(内リンパ水腫)になってしまいます。
これが、「雨の日に頭が重い」「耳が詰まった感じがする」という不快感の原因です。
【あなたの側頭骨は大丈夫?】
✅ 健康な人の頭蓋骨
- 側頭骨の動き: 呼吸に合わせて微細に動く
- 排水溝(出口): 開いており、循環が良い
- 気圧低下時: 圧力をスムーズに逃がせる
⚠️ 気象病の方の頭蓋骨
- 側頭骨の動き: 食いしばりでロックされている
- 排水溝(出口): 圧迫され、排液が滞る
- 気圧低下時: 圧力が籠もり、内耳がむくむ

今日からできる「頭蓋骨・側頭骨リリース」
耳の表面を揉むだけでは届かない、「骨のロック」と「排水溝」にアプローチするセルフケアをご紹介します。 次の雨予報が出る前に、ぜひ試してみてください。
ステップ1:耳の「根元」引き剥がし(イヤー・プル)

ただ耳たぶを揉むのではなく、頭蓋骨の縫合を緩めるテクニックです。
- 耳の穴に親指を軽く入れ、残りの指で耳全体を掴みます。
- 耳を横(外側)に向かって、「じわーっ」とゆっくり引っ張ります。
- 頭の中の空間が広がるようなイメージで、30秒キープします。
ステップ2:胸鎖乳突筋の「へばりつき」剥がし

耳の後ろの出っ張った骨(乳様突起)から、鎖骨に向かって伸びる太い筋肉です。ここが固いと側頭骨を下に引っ張り、ロックしてしまいます。
- 顔を少し横に向け、浮き出た太い筋肉(胸鎖乳突筋)を指でつまみます。
- 優しく揺らすようにして、筋肉のへばりつきを剥がしていきます。
- 耳の下から鎖骨まで、まんべんなく行いましょう。
ステップ3:あごの脱力(頸静脈孔の解放)

食いしばりは側頭骨を内側に押し込み、排水溝を塞ぐ最大の要因です。
- 舌の先を、上の前歯の裏(スポット)に軽くつけます。
- 「上下の歯を離す」ことを意識して、あごの力をダランと抜きます。
- 日常の中で、気づいた時にこまめに行いましょう。
【当院での臨床傾向】気象病になりやすい方の共通点
私の27年の経験上、雨の日の頭痛に悩む方には、あるはっきりとした傾向があります。 「無意識の食いしばり」がある方です。
当院に来院される気象病の患者さんのあご周りを触診すると、ほぼ100%の方が「咬筋(こうきん)」や「側頭筋(そくとうきん)」がガチガチに緊張しています。
真面目で頑張り屋さんな方ほど、知らず知らずのうちに歯を食いしばり、頭蓋骨(側頭骨)をロックさせてしまっているのですね。
当院では、頭痛への施術だけでなく、この「食いしばり」の原因となっている自律神経の緊張を解くことにも重点を置いています。 あごが緩むと、不思議と天気の影響を受けにくくなるんですよ。
【Q&A】よくある質問
Q. 酔い止め薬を飲むと楽になるのはなぜですか?
A. 市販の酔い止め薬には、内耳の興奮を鎮める成分(抗ヒスタミン成分など)が含まれているためです。一時的な対処としては有効ですが、毎回飲み続けることに抵抗がある場合は、やはり体の巡りを良くして「センサーの過敏性」自体を落ち着かせていくことが大切です。
Q. 頭痛のときは、温めるべき?冷やすべき?
A. 「ズキズキ」と脈打つような痛みの場合は、血管が拡張して炎症が起きている可能性があるため、こめかみ等を「冷やす」のがおすすめです。逆に、「重い」「締め付けられる」ような痛みの場合は、首の後ろを「温めて」血流を促すと楽になることが多いです。
Q. どのくらいの頻度で通えば良くなりますか?
A. 個人差はありますが、気圧の変化に強い身体を作るには、まずは週1回程度を5〜6回続けていただくことをおすすめしています。頭蓋骨の動きや自律神経のバランスは、じっくりと整えていくことで定着していきます。
天気予報に怯えない生活へ
薬は「今ある痛み」を消してくれますが、「センサーの過敏性」や「骨のロック」までは治してくれません。
「雨だから仕方ない」と諦めないでください。 「内耳の血流」を確保し、「側頭骨の可動性」を取り戻すことで、気圧の変化をサラリと受け流せる身体は作れます。
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「次の雨の日が来るのが怖い」 もしそう感じているなら、ぜひ一度ご相談ください。 あなたが天気を気にせず、毎日を心地よく過ごせるよう、私が全力でサポートします。
※写真はイメージです。
※施術の効果には個人差があり、成果を保証するものではありません。
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