自律神経の乱れに鍼灸は効果がある!その理由と具体的な施術方法を紹介!

自律神経は副交感神経と交感神経の2つの神経からなる神経系です。両者がバランスよく働くことで、内臓や体温、発汗、精神面などが健全に保たれています。

その一方で両者のバランスが崩れると、さまざまな症状が引き起こされることがあります。この状態は自律神経の乱れや自律神経失調症と呼ばれ、多くの人が悩まされているようです。

このような自律神経が乱れることで起こる症状に対して有効な施術法の1つとして鍼灸が挙げられます。鍼灸は全身にあるツボを鍼やお灸で刺激することで、自律神経の乱れを整える施術法です。

本記事では自律神経による症状の概要と、自律神経の乱れに鍼灸が効果的な理由について解説します。さらに鍼灸施術の具体例も2つ紹介するので、ぜひ参考にしてください。

自律神経による症状とは?

自律神経のバランスが崩れると、さまざまな症状が現れます。このような状態は自律神経の乱れや自律神経失調症とも呼ばれ、日常生活を送るうえで大きな心身の悩みにつながることがあります。症状の一部を上げると、次のとおりです。

  • 頭痛
  • めまい
  • 吐き気
  • 肩こりや腰痛
  • イライラ感
  • 不安感
  • 便秘や下痢
  • 食欲不振 など

症状の現れ方には個人差があり、複数の症状が別々に現れたり、同時に現れたりする点も特徴です。自律神経の乱れによる症状を改善するためには、服薬や心理療法、食事の改善などさまざまな方法が挙げられます。その1つとして、日本で古くから取り入れられている鍼灸も有効です。

自律神経の乱れに鍼灸が効果的な理由

自律神経の乱れに鍼灸が効果的な理由は次のとおりです。

  • リラックスできるから
  • 呼吸をしやすくなるから
  • 気の流れが整うから

以上の項目別にわかりやすく説明します。

リラックスできるから

鍼灸にはリラックス効果が期待できます。リラックス効果は、専門的に鎮静効果とも呼ばれており、鍼灸を受けるメリットの1つです。

自律神経が乱れると活動の神経である交感神経が過度に優位な状態になり、眠れなかったり、肩が凝りやすくなったりします。他にも、血圧の上昇や便秘、食欲不振などのさまざまな症状が現れることがあります。

鍼灸を受けてリラックスすることで、以上のような交感神経が過度に優位になることで起こる自律神経症状の緩和が期待できます。

呼吸をしやすくなるから

鍼灸で肩や胸周りの筋肉を緩めると、呼吸をしやすくなります。呼吸は肩や胸周りにある呼吸筋と呼ばれる筋肉が緩んだり、緊張したりして行われます。

自律神経が乱れて、これらの筋肉が硬くなると無意識のうちに呼吸がしづらくなって、浅い呼吸しかできなくなることもあるのです。呼吸が浅いと、全身に酸素が行き渡らずに全身がエネルギー不足に陥り、倦怠感を覚えることがあります。

この状態が継続することで体がストレスを感じ、さらなる自律神経の乱れを引き起こし悪循環になる恐れがあります。鍼灸で呼吸筋にアプローチすると、呼吸が浅くなることで起こる自律神経の乱れを防げるでしょう。

気の流れが整うから

東洋医学には「気」と呼ばれる概念が存在しおり、不調のない健康的な生活を送るためには、気が全身を滞りなく流れる状態を保つことが大切といわれています。

一方で気の流れが滞ったり、弱くなったりした状態になると、全身にさまざまな不調が現れます。この状態は、現代でいうところの「自律神経が乱れた状態」に該当するのです。

ツボ(経穴)に鍼を打ったり、お灸で温めたりすると気の流れをコントロールできるため、鍼灸施術を受けると自律神経の乱れを整えることにつながります。

自律神経症状に対する鍼灸の具体例

自律神経症状の改善につながるような鍼灸施術について具体例を挙げると、「頭皮鍼」や「手足の鍼」などが挙げられます。

頭皮鍼

頭皮鍼とは、頭皮に鍼を指して全身を治療する施術方法です。頭部には、多くのツボ(経穴)が存在しており、そこに鍼を刺して頭部の筋肉の層を刺激すると全身の状態を整えられます。

たとえば自律神経を整えたり、リラックスしたりするためにたびたび用いられる頭部のツボとして、「百会(ひゃくえ)」が挙げられます。百会は頭頂部あたりに存在し、その効果の高さから多くの鍼灸師がアプローチするツボです。

他にも、頭部には多くの効果的なツボが集中しており、昨今は美容を目的とした施術に用いられることもあります。

手足の鍼

手足に鍼を打つと、副交感神経を優位にする効果が期待できます。副交感神経の主な働きは、精神を落ち着けたり、内臓を動かしたりすることです。他にも血管を拡張させたり、眠りやすい状態に導いたりする働きもあります。

そのため自律神経が乱れて副交感神経がうまく働かない状態になると、内臓の不調やイライラ・不安といった精神症状、不眠などの症状が現れることがあります。

そこで手足のツボに優しく針を打つことで、副交感神経を優位にして自律神経のバランスを整える施術が行われることもあります。

鍼灸の自律神経への作用を高めるためのポイント

鍼灸施術を受ける際には、以下のポイントを守っていただくと、鍼灸の作用を高める効果が期待できます。

  • 施術を受けた日は安静に過ごす
  • 話を聞いてくれる鍼灸院に通う
  • 生活習慣を整える

それぞれについて分かりやすく解説します。

施術を受けた日は安静に過ごす

施術を受けた日は、激しい運動をしたり、仕事で忙しくしたりせずに安静に過ごすことをおすすめします。鍼灸を受けた後は自律神経が整うため、体を回復させようとする力が活発になります。

回復状態にあるなかで、激しい運動をしたり、忙しく働いたりすると、回復に向かっている状態が阻害される恐れがあります。

鍼灸の効果がしっかり発揮されるためにも、施術を受けた当日はゆっくりと過ごすことをおすすめします。

話を聞いてくれる鍼灸院に通う

自律神経の乱れを改善したい場合は、自分の話を聞いてくれる鍼灸院に通いましょう。不安や緊張といった感情は自律神経を乱す要因の1つです。

もし鍼灸施術の前に、自分の話を聞いてもらえなかったら、「本当に私の症状をわかってくれているのだろうか?」と考えてしまい不安と緊張のなかで鍼灸施術を受けることになるかもしれません。

そのような状態では、自律神経が整いづらくなるため鍼灸施術の効果も発揮されづらくなります。自分の話をしっかりと聞いてくれ、丁寧に説明をしてくれるような安心できる鍼灸院で施術を受けましょう。

生活習慣を整える

自律神経には、生活習慣の影響を受ける特徴があります。

そのため不規則な生活をせずに正しい生活習慣のもとで毎日を過ごすと自律神経のバランスが整いやすくなります。一方で就寝時間と起床時間が揃わず、夜更かしばかりするような生活習慣だと、自律神経のバランスは整いにくくなります。

鍼灸で施術を受けても、日ごろの生活習慣が乱れてしまうと、施術の効果が打ち消されてしまう可能性があるのです。鍼灸の効果を高めたい場合は、通院と同時に生活習慣も整えるようにしましょう。

鍼灸で自律神経のバランスを整えよう

自律神経が乱れると、頭痛や吐き気、食欲不振、倦怠感などのさまざまな症状が現れることがあります。「なんとなく最近は調子が悪い」と感じる場合は、その原因は自律神経の乱れが原因かもしれません。

自律神経の乱れには鍼灸施術によるアプローチが有効です。頭皮鍼や手足のツボに対する鍼施術で、自律神経のバランスを整えて、快適な毎日を過ごしましょう。

江戸川区西葛西にあるカミヤ治療院では、自律神経が乱れた方に向けて鍼灸施術も提供しています。他にも脳整体と呼ばれる当院独自の整体を用いて自律神経の乱れを整えることもできます。自律神経の乱れでお困りの場合は、カミヤ治療院にご相談ください。