寝る前にスマホがやめられない理由と改善方法|睡眠の質を高める習慣とは

「寝る前にスマホをつい触ってしまう」「SNSを見ていると気づけば1時間」…そんな経験はありませんか?就寝前のスマホ習慣は多くの人がやめられないと感じていますが、実は睡眠の質を下げる要因であり、翌朝のだるさや日中の集中力低下にも直結します。

本記事では、なぜ寝る前にスマホをやめられないのかを科学的根拠に基づいて解説し、睡眠改善につながる具体策を紹介します。

寝る前にスマホをやめられない主な理由

ブルーライトによるホルモンへの影響、SNSや動画の報酬系刺激、習慣化、先延ばし行動などが複合的に関係しています。

1. ブルーライトが睡眠ホルモンを抑制する

スマホやタブレットから発せられるブルーライトは、眠気を誘うホルモン「メラトニン」の分泌を抑え、睡眠のタイミングを遅らせます。
米ハーバード大学の研究では、ブルーライトは他の波長の光よりもメラトニン抑制効果が強く、体内リズムをより大きくずらすと報告されています※。

※「Blue Light: What is it and How Does it Affect Us?|ohsonline

2. SNSや動画が脳の報酬系を刺激する

SNS通知や動画視聴は、脳内でドーパミンが分泌され、快感や興奮をもたらします。この「報酬回路」の働きにより、「あと1本だけ」「通知を確認してから寝よう」と繰り返してしまい、脳が覚醒状態のまま眠りにつけなくなります。

3. 習慣化と睡眠衛生の乱れ

ベッドに入ったらスマホを見る習慣がつくと、脳は「ベッド=スマホ操作の場」と認識し、睡眠モードに入りにくくなります。これは睡眠衛生(Sleep Hygiene)の乱れとして知られ、睡眠障害の一因になります。

4. 就寝前の「先延ばし行動」

「寝る準備は後で」とスマホに手を伸ばす行動は、就寝前プロクラステイネーションと呼ばれます。

就寝前プロクラステイネーションとは、本来寝るべき時間になっているのに、特に理由もないまま就寝を先延ばししてしまう行動を指します。例えば「あと1本だけ動画を見る」「SNSをもう少しチェックする」といった形で睡眠時間が削られてしまう現象です。

寝る前スマホが睡眠に与える悪影響

寝る前にスマホを使用する習慣は、入眠の遅れや睡眠時間の短縮を引き起こし、睡眠の質を低下させます。その結果、翌日の集中力や判断力が落ちるだけでなく、長期的には肥満や生活習慣病のリスクも高まります。

入眠が遅れ、睡眠時間が短縮する

寝る前にスマホの画面を見ると、光の刺激によって脳が覚醒状態になりやすくなります。特に画面の光は体内時計を調整する役割を持つホルモンの分泌を遅らせ、自然な眠気のタイミングを後ろ倒しにしてしまいます。その結果、「眠いはずなのに目が冴えて眠れない」という状態が起こりやすくなります。

さらに、寝る直前までSNSや動画を見ていると「あと少しだけ」と時間を延ばしてしまい、就寝時間そのものが遅れる傾向があります。これが習慣化すると、慢性的な睡眠不足に陥りやすくなり、翌朝の起床が辛くなったり、休日に寝だめをして平日の睡眠リズムが崩れる悪循環が生まれます。

翌日の集中力や判断力が低下

寝る前スマホによる睡眠不足や浅い睡眠は、翌日の脳の働きに直接影響します。十分な睡眠がとれないと、記憶の整理や情報処理能力が低下し、仕事や勉強でのパフォーマンスが落ちやすくなります。

また、寝不足は注意力の低下や反応の遅れを招くため、運転中や作業中のヒヤリとする場面が増えるなど、事故やケガのリスクも高まります。特に睡眠が浅く、熟睡感が得られない状態が続くと、日中の強い眠気やぼんやり感が抜けにくくなり、常に疲れているような感覚に陥ることもあります。

肥満や生活習慣病リスクの増加

寝る前スマホによる睡眠不足は、体内のホルモンバランスにも影響します。睡眠が足りない状態では、食欲を増進させるホルモンが過剰に分泌される一方で、満腹感を伝えるホルモンの分泌が減少します。この結果、必要以上に食欲が増し、夜食や間食が増える原因になります。

さらに、睡眠不足は代謝を低下させ、脂肪が燃えにくい体質を作り出します。この状態が続くと、肥満や高血圧、糖尿病といった生活習慣病のリスクが高まります。つまり、寝る前のスマホ習慣は、単なる「寝不足」だけでなく、健康全般に悪影響を及ぼす可能性があるのです。

寝る前スマホをやめるための具体策

寝る前スマホをやめるためには、物理的にスマホから距離を取る工夫や、ブルーライト対策、リラックス習慣の導入が効果的です。スマホを寝室に持ち込まない「スクリーンフリー」の環境作りも有効です。

1. 寝る1時間前はスマホをオフにする

寝る1時間前からスマホを使わない「デジタルデトックス時間」を設けることで、脳を休ませる時間を確保できます。
特に、就寝前は交感神経が働きやすくなりがちですが、スマホを手放すことで副交感神経が優位になり、眠りに入りやすくなります。
実践のコツとしては、寝室以外でスマホを充電する・アラームは目覚まし時計を使うなど、物理的にスマホを手元から遠ざけることが効果的です。

2. ナイトモードやブルーライトカットを活用

どうしても寝る直前にスマホを使う必要がある場合は、ナイトモードやブルーライトカットフィルターを活用しましょう。
これにより、ブルーライトによるメラトニン分泌の抑制を軽減できます。さらに、画面の明るさを最低限に下げる、暗い背景のダークモードを利用するなど、視覚刺激を減らすことも有効です。
ただし、本来は就寝前のスマホ使用自体を控えるのが最も望ましいため、あくまで「緊急時の補助策」として考えるべきです。

3. 就寝前のリラックスタイムを設ける

寝る前の1時間を「リラックスタイム」として使うことで、自然な眠気が得られやすくなります。
読書や軽いストレッチ、深呼吸、アロマテラピーなど、心身を落ち着かせる習慣を取り入れると、副交感神経が優位に切り替わりやすくなります。
特に、就寝前に照明を暗くして落ち着いた環境を作ることで、体は「眠る準備ができた」と認識しやすくなります。

4. 「スクリーンフリー」の寝室を作る

寝室は「眠るためだけの空間」として整えることが、睡眠衛生の基本です。
スマホやタブレットを寝室に持ち込まないことで、無意識に画面を見てしまう行動を防げます。
加えて、寝室の照明は柔らかい光にし、テレビやパソコンなどの電子機器を置かないことで、睡眠環境がより整います。これにより、寝室に入る=眠るという習慣が脳に定着し、自然に寝つきが良くなります。

スマホ習慣を見直して睡眠の質を高めよう

寝る前にスマホをやめられない理由は、ブルーライトによるホルモン抑制、脳の報酬系刺激、習慣化、先延ばし行動が複合的に絡んでいます。

しかし、就寝1時間前のスマホオフ、寝室のスクリーンフリー化、リラックスタイムの導入を組み合わせることで、睡眠の質を大幅に改善できます。

今日から少しずつスマホ習慣を見直し、質の高い睡眠と翌日のパフォーマンスを取り戻しましょう。

スマホのやりすぎで生活リズムが乱れて眠れなくなることもあります。そのような場合は、当院の脳整体をお試しください。心地の良い刺激、自律神経にアプローチするため、自律神経の乱れによる不眠の改善が期待できます。

当院は江戸川区の西葛西にありますので、お気軽にご相談ください。