【逆流性食道炎】薬が効かない原因は「猫背」?胃を下げる整体アプローチ|西葛西カミヤ治療院

「胃薬を飲んでいるのに、胸焼けがなかなか治まらない」 「薬をやめると、すぐに酸っぱいものがこみ上げてくる」 「寝ている時に、喉が焼けるような痛みで目が覚める」

もしあなたが、病院に通っても解決しないこのような症状で悩んでいるなら、アプローチする場所が少しズレているのかもしれません。

こんにちは、カミヤ治療院です。

逆流性食道炎=胃酸が出過ぎる病気、と思われがちです。 しかし、実は薬が効かないケースの多くは、「胃酸の量」ではなく「胃の形(ポジション)」に問題があることをご存知でしょうか。

歴27年の臨床経験から言えることは、長時間のパソコン仕事による「猫背」と「呼吸の浅さ」が、物理的に胃を潰しているという事実です。

本記事では、最新の構造医学の視点から、薬に頼らずに逆流を防ぐための「身体の整え方」をお伝えします。


なぜ「猫背」だと逆流するのか?

結論から言いますと、猫背は「常に吐き気をもよおしている」のと同じ姿勢だからです。

胃が「サンドイッチ」で潰される

お腹の中(腹腔)は、風船のような密閉空間です。 背中を丸めて猫背になると、肋骨とお腹の肉で、胃が上下からギュッとプレスされてしまいます。

これを物理学では「パスカルの原理」と言いますが、逃げ場を失った胃の中身は、圧力の低い方へ逃げようとします。 その逃げ道が、上にある「食道」なのです。

【猫背が引き起こす悪循環】

  1. 前かがみでお腹が圧迫される
  2. 胃の逃げ場がなくなり、内圧が急上昇する
  3. 胃の一部が、胸の方へ滑り上がってしまう(食道裂孔ヘルニアの状態)

どんなに強い薬で酸を抑えても、物理的に逆流が止まらないのはこのためです。 画像診断の研究でも、「背中が丸い人ほど、食道の入り口が緩んでいる」というデータが出ているほど、姿勢と胃は密接に関係しています。


呼吸が浅いと「胃のフタ」が閉まらない

もう一つの大きな原因は「呼吸」です。 実は、食道と胃のつなぎ目は、筋肉のベルトで締められています。そのベルトの正体が「横隔膜(おうかくまく)」です。

横隔膜は天然の「逆流防止ベルト」

正常な状態では、息を吸うたびに横隔膜がギュッと収縮し、食道の入り口を外側から締め付けてくれています(ピンチコック作用)。

しかし、姿勢が悪く呼吸が浅い方は、この横隔膜がガチガチに固まって動いていません。 つまり、「胃のフタが開けっ放し」の状態なのです。これでは、少し前かがみになっただけで逆流してしまいます。

座りすぎが招く「インナー・コブラ」の悲劇

なぜ横隔膜が固まるのでしょうか? 犯人は、股関節の奥にある「大腰筋(だいようきん)」です。 大腰筋と横隔膜の関係を、スマホでも見やすく比較しました。

✅ 健康な状態(理想)

  • 大腰筋(腰の奥): 柔軟に伸び縮みする
  • 横隔膜(胃のフタ): しっかり上下してフタを締める
  • 逆流リスク: 低い

⚠️ 座りっぱなしの状態(キケン!)

  • 大腰筋(腰の奥): 縮こまって固まる
  • 横隔膜(胃のフタ): 下に引っ張られて動けなくなる
  • 逆流リスク: 非常に高い

デスクワークで長時間座っていると、大腰筋が縮こまります。 実は大腰筋と横隔膜は筋膜でベッタリと繋がっているため(インナー・コブラと呼ばれます)、大腰筋が固まると、横隔膜も下に引っ張られて動けなくなってしまうのです。

「腰痛がある人は胃も弱い」というのは、解剖学的にも正しい事実なんですよ。


首のズレが「胃の動き」を止める

最後に見逃せないのが「首(ストレートネック)」です。 胃腸を動かしている司令塔は、脳から首を通って伸びる「迷走神経(めいそうしんけい)」です。

スマホ首やストレートネックで、首の骨がズレて神経を圧迫すると、脳からの「消化しろ!」という命令が胃に届かなくなります。

【首こりが引き起こす胃のトラブル】

  • 胃不全麻痺: 食べたものが消化されず、いつまでも胃に残る
  • 嚥下(えんげ)障害: 顎が前に出て、飲み込む力が弱くなる
  • 食道クリアランス低下: 逆流した酸を唾液で洗い流せなくなる

首の調整をしたら、急に胃がグルグルと動き出す患者さんが多いのは、この神経の通り道が開通するからです。

薬に頼らない!整体的セルフケア

「じゃあ、どうすればいいの?」 大切なのは、胃酸を消すことではなく、「身体の形」を元に戻すことです。今日からできる3つのケアをご紹介します。

① スペースを作る(胸椎伸展)

丸まった背中を物理的に伸ばし、胃の圧迫を解除します。

  1. フォームローラーや丸めたタオルを背中の下に敷く
  2. 仰向けになり、万歳をして深呼吸(1分間)
  • これだけで肋骨が広がり、胃にスペースが生まれます。

② フタを鍛える(腹式呼吸)

サボっている横隔膜を筋トレして、フタを締める力を取り戻します。

  1. 仰向けになり、お腹に手を置く
  2. 鼻から息を吸って、お腹を大きく膨らませる(横隔膜を下げる)
  3. 口から細く長く吐ききる
  • 1日10回目安で行いましょう。

③ 胃を下ろす(かかと落とし)

上に上がってしまった胃を、振動で物理的に下ろします。

  1. コップ1杯の白湯を飲む(胃に重りを入れる)
  2. 立ってつま先立ちになり、「トン!」とかかとを落とす
  • 10回繰り返すことで、胃が本来の位置に落ち着きやすくなります。

薬が手放せなかった50代女性のケース

先日、50代の女性が「10年間、逆流性食道炎で薬を飲み続けている」と来院されました。 薬を飲めば痛みは消えるものの、やめると翌日には喉が焼けるように痛くなり、「一生このまま薬漬けなのか」と不安を感じていらっしゃいました。

来院時の状態 典型的な猫背で、背中が鉄板のように硬くなっていました。 また、長年のデスクワークの影響でお腹の奥(大腰筋)が縮こまり、呼吸が非常に浅い状態でした。

当院のアプローチ 胃そのものには触れず、以下の3点に集中して施術を行いました。

  1. 背骨のカーブを取り戻す
  2. 横隔膜を緩める
  3. 首のズレを整える 物理的に胃を圧迫している「枠組み」を広げたのです。

その後の経過 初回の施術後、「久しぶりに深呼吸ができた」と驚かれていました。 その後、週1回の通院とご自宅での「背中反らしケア」を続けていただいたところ、1ヶ月後には「薬を飲み忘れても平気になった」と嬉しいご報告をいただきました。 今では、大好きなコーヒーや揚げ物も、量を調整しながら楽しめるようになっています。

【Q&A】よくある質問

Q. 逆流性食道炎のときに食べてはいけないものはありますか?

A. 一般的に「脂肪分の多い食事」「カフェイン」「アルコール」「チョコレート」「柑橘類」は胃酸の分泌を増やしたり、食道のフタを緩めやすくするため注意が必要です。 ただし、これらを一生我慢するのではなく、体の機能(姿勢や呼吸)を整えることで、適量を楽しめるようになることを目指しましょう。

Q. 寝るときは左右どちらを向いたほうがいいですか?

A. 胃の形状からすると、「左側を下」にして寝るのがおすすめです。 胃の入り口が上に来るため、物理的に逆流しにくくなります。逆に右を下にして寝ると、逆流しやすくなることがあるため注意してください。

Q. 整体で本当に胃の調子が良くなるのですか?

A. 整体は直接胃を治療するものではありませんが、胃が正常に働くための「環境(姿勢・神経・血流)」を整えることができます。 猫背が改善して胃の圧迫が取れ、自律神経が整うことで、結果として症状が緩和されるケースは非常に多くあります。

まとめ:胃酸は「敵」ではありません

逆流性食道炎は、胃酸が悪いのではなく、「胃酸が逆流してしまう身体の形」に問題があります。

  • 猫背を伸ばす
  • 横隔膜を動かす
  • 首を整える

これらを無視して、薬で酸を抑えるだけでは、なかなか根本的な解決には至りません。 「どこに行っても改善しない」と諦める前に、一度、身体の構造から見直してみませんか?

西葛西駅から徒歩2分のカミヤ治療院では、あなたの姿勢や呼吸の状態から原因を見つけ出し、本来の機能を取り戻すお手伝いをしています。

痛みを我慢しなくていいんですよ。 美味しくご飯が食べられる毎日を、一緒に取り戻しましょう。

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